読書記録.
読了.面白かった.
見えないアメリカ (講談社現代新書 1949) 渡辺 将人 講談社 2008-06-17 売り上げランキング : 9990 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
アメリカ人には,程度の差はあれど個々の政治性が強いという共通点がある.しかしバックグラウンドは様々で,保守/リベラル,民主党支持/共和党支持の二元論で色分けできるような簡単なものではない.
本書では,著者がアメリカでの選挙活動(==ヒラリー・クリントン事務所でのアジア・ヒスパニック系を対象とした集票活動)を通して学んださまざまな政治性の成り立ちについて,例や歴史を紐解いて解説し,それがすべてではないことは承知の上でアメリカという国を理解するのには,本書で提示するような複雑な読み解きを要することを示している.
この本を買う前に本の帯を見て思い出したのは,たしか再生YMOのときに坂本龍一がコメントしていたこと.
「アメリカでは音楽のマーケティングがとことんはっきりしている.コンガのパターンひとつでターゲットとしているセグメント(人種とか)がはっきりわかる.また,それこそ何拍の何個目に音が入るか入らないかで,ターゲットのセグメントが異なっているケースもある」という話.
それだけマーケティングが音楽制作に事細かに口を出しているということを聴いてびっくりした覚えがある.
集票となれば,その比ではないほどの情報収集や戦略があるのだろうなと思って読んでみたが,やはりそうだった.
知人の本とは言え*1,新書としては情報量の多い良書だと思います.興味があればぜひ.